珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

*[雑記]ごあいさつ

 はじめまして。珈琲山居の店主です。オープン予定の店舗のことなど、今日からこちらで情報発信していきます。ブログ形式で自分の文章を公開するのはずいぶん久しぶりです。しばらく文体も落ち着かなさそうですが、そこは無理なくぼちぼちと。

 

*[雑記]店舗について

 さて、一部の方にはご案内のとおり、珈琲山居は今秋、京都市北区に実店舗*1をオープンします。GW明けに店舗物件が決まってから、ともかくその旨お知らせせねばということで次のようなデータを作りました*2

f:id:coffee-sankyo:20190523185642j:plain

 これを名刺の裏に追い刷りしまして、ショップカード代わりに配り始めています。

 物件はいわゆる飲食店居抜きではなく、築年数も相当経過しているので、喫茶店として使うためにはいろいろと改修が必要になります。現在は建築設計の専門家にもご協力いただきながら、内外装などの設計プランを練っているところです。そのあたりの詳細や進捗なども、追々ご紹介していきます。

 

*[珈琲豆]取扱商品(2019年5月現在)

 現在取り扱い中のストレート豆は以下の5種類です。ブラジルがなくなったら東ティモールか、コロンビア、ペルーあたりを仕入れようかと思っています。

 

エチオピア イルガチェフG3 Y.C.F.C.U コンガ農協(精製:ナチュラル)

  価格:650円/100g

  焙煎度:中煎り推奨 

  特徴:ナチュラル精製*3由来の、トロピカルフルーツを思わせる香りと甘み。     

     かなり個性的な風味です。

 

南インド タミルナドゥ州ニルギリ バルマアディ農園(精製:半水洗式)

  価格:630円/100g

  焙煎度:深煎り推奨

  特徴:深煎りらしい、しっかりしたコクと苦みがありつつ後味はすっきりめ。

     原料生豆はバイオダイナミック農法*4で栽培されています。

 

ボリビア ラパス県カラナビ郡 ベジャビスタ農園(精製:水洗式)

  価格:620円/100g

  焙煎度:中煎り~中深煎り推奨

  特徴:シロップのような甘い香り、バランスの取れた味。

     原料生豆は海外の有機認証(Bio Latina認証)を取得しています。

 

・ブラジル ミナスジェライス州 セラード地域(精製:非水洗式)※在庫僅少

  価格:各600円/100g 

  焙煎度:中煎り~中深煎り推奨

  特徴:ブラジルらしい、ナッツ系のコクと香り。深煎りに近づけると多少チョコレートのような風味が出てきます。オーソドックスな珈琲をお求めの方に。

 

・メキシコ エル トリウンフォ カフェインレス(精製:水洗式)

  価格:630円/100g

  焙煎度:中深煎り~深煎り推奨

  特徴:スモーキーな香ばしさの中に甘みを感じます。

     水のみ使用する方法で、生豆の状態からカフェインを除去しています*5

     原料生豆は有機JAS認証を取得しています。

 

*1:みんな大好き喫茶店です。

*2:実は別バージョンも複数あるのですが、ここにアップしたのが最終版です

*3:

ナチュラル精製

 コーヒーはコーヒーチェリーの種子を焙煎して飲むわけですが、種子を焙煎できる状態(生豆)にするためには、チェリーから不要な部分を取り除く処理が必要です。この処理を精製と呼んでおり、大きく3種類の方法があります。

 ナチュラルは、収穫後のコーヒーチェリーを果肉がついたまま乾燥させ、乾燥後に果肉と内果皮を脱穀して生豆の状態に仕上げる方式。逆に、先に果肉を洗い流してから乾燥させ、内果皮だけ脱穀するのがウォッシュド方式。それと、両者の中間的な精製である半水洗式の3種類です。半水洗式は果肉は除去しつつミューシレージといわれる種の周りの粘液質は残した状態で乾燥させる方法で、パルプドナチュラル、スマトラなど、地域によって多少方法や名称が異なります。

 と書いただけではなかなかわかりづらいのがもどかしいところですが、精製によって、味はけっこう変わります。おおまかにいうと、ナチュラルは果肉付きのまま乾燥させるため、果肉を剥がした後もフルーティな風味が残りやすい、ウォッシュドは果肉が収穫後時間をおかずに洗い流されるため、すっきりクリーンな味わいになりやすい、というような区別です。精製方法は産地の気候や栽培環境によって影響される部分が大きいものの、消費国のトレンドによっても流行り廃りがあり、同じ農園の中で複数の方法が使い分けられることもあります。精製はコーヒーの味を決める上で、焙煎や抽出では補えない重要なプロセスだと思います。

*4:

バイオダイナミック農法

 オーストリアの哲学者・思想家、ルドルフ・シュタイナー18611925)が提唱した一種の循環農法です。土壌保護の観点から農薬や化学肥料の使用を否定し、耕耘、播種、収穫といった農作業を太陽や月の動きに合わせて行うことを特徴にしています。全体に神秘主義的な要素を含み、牛糞や水晶の粉を牛の角に詰めて堆肥を作るなど、やや儀式めいたところもありますが、個別に見ると欧州の伝統的な農作業と共通する内容も多いようです。

*5:

カフェインレスの処理方法

 普通のアラビカコーヒー生豆からカフェインを取り除いたのがカフェインレスコーヒーです。取り除くとはいっても薬品等は使わず、原料は天然水だけ。この手法は一般にウォータープロセスと呼ばれ、概要は①~④のとおりです。

 <ウォータープロセス概要>

      ①:カフェインを含む生豆の成分を水に溶かす

      ②:①の水から生豆を引き上げる

      ③:①の水からカフェインだけを選択的に除去する

      ④:豆を再度③の水に漬けて、カフェイン以外の成分を豆に戻す