珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

*[日々]

 Y夫妻の誘いで吉田山大茶会へ。このイベントは毎年行きそびれていて、10回目にして初めての訪問となった。主目的はお店で出すお茶、特に和紅茶のリサーチ。という話をしたら、夫妻から熊本・カジハラ茶園を薦められ、オープンと同時にゆっくり座って試飲させてもらうことになった*1。いただいたのは釜炒り茶2種、和紅茶香駿、発酵よもぎ紅茶、最後にレモングラスと釜炒り茶のハーブティー(水出し)。合間合間に製造工程のお話も興味深くうかがった。茶葉の乾燥、きちんと水抜きするのが大事というところは珈琲豆の焙煎にも通じるものがある。その他のブースにも立ち寄りいくつか試飲。以前から気にしていた茶園も出店していたものの、お目当ての商品がなくて残念だった。会場では偶然、お久しぶりの方にもお会いし、すかさずお店のことなど報告。最後に南インドの伝統舞踊をチラ見して会場を後にした。

 夫妻とは久々にゆっくり話ができて楽しかった。大茶会のあと京大キャンパスに移動、外のベンチでひとしきり近況報告をし合い、猫町でお昼ごはんを食べて解散。山乃家の担々麺からウズベキスタンのナヴォットまで、毎度食べ物だけでも話題は尽きない。

 

*[読んだ本]

90年代の若者たち 島田潤一郎(岬書店 2019)

 “ひとり出版社”としてつとに知られる夏葉社の島田さんが1990年代を振り返って綴ったエッセイ。内容は「若者たち」といいつつほぼ自伝、読んでいるこちらがちょっとどぎまぎしてしまうくらい、色々なエピソードがざっくばらんに語られている。でも決してどぎつくはなく、熱すぎもせず、最後まで一気に読んでしまった。

前著「あしたから出版社」(晶文社 2014)には言及されているのかもしれないが、未読の自分としては、読書遍歴をはじめとする著者の文化的バックグラウンドがとても意外に感じた。同社の硬派で独創的な文芸ラインナップからはちょっと想像できないといってもいい。それでもあの素朴で、飾り気のないところはいかにも夏葉社らしいような気がした。

*1:多くのブースで試飲の当日予約を受け付けていた。でも人気の茶園ほどすぐに予約が埋まる模様