[新刊出来!]『しるもの時代 家庭料理の実践と書評』目次→うちの味って/味噌汁飲み うちの味噌汁 コーヒーと味噌汁と花森安治 本の中の味噌汁論/しるの素/読む家庭料理 飲食書評の仕事と「家庭料理」考 『きょうも料理』を読む 愛情は別として、なにしろごはんは炊きたてがおいしい pic.twitter.com/Q7osSZXQrI
— 木村衣有子/YUKO KIMURA (@yukokimura1002) 2020年6月26日
木村衣有子さんのリトルプレス「しるもの時代」、ちびちび読み進めるつもりがあっという間に終わってしまった。
気軽な感じのエッセイから徐々にギアが上がっていき、後半の「読む家庭料理」へ。飲食書評と銘打たれたこの家庭料理論がたいへん興味深く、飲食本好きとしてはこの章だけでも読めてよかった。2004年刊の『きょうも料理』*1を糸口に、古今の“家庭料理”を取り巻く精神論を掘り下げていくという構成。
終盤に出てくる、料理研究家とミュージシャンをパラレルに捉える視点も面白かった。確かに料理家の人気や流行り廃りは、音楽のヒットチャートにも似て世相を反映することも少なくなさそう。時代が下るにつれて好みが細分化していくように思えるあたりも*2音楽と共通するような。ところで先の『きょうも料理』は料理研究家30名ほどを分類・図示しているそうな。どんな内容なのか非常に気になる。あと、ふと思ったのは、タイトルの「しるもの時代」は「知る者時代」でもあるのかなということ。フードファディズムみたいな流れへのちょっとした風刺?
と、たまにはタイムリーに読後感を書き残してみた。店の本棚には早速、『味見したい本』と並べて置いてあります。