珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

読んだ本(7月前半)

グアダルーペの聖母/鶴見俊輔(1976, 筑摩書房

  鶴見さんは1972年からの1年ほど、コレヒオ・デ・メヒコ(メキシコの大学院大学)から客員教授として招聘され、メキシコシティーで過ごしている。本書はそのときの滞在記。タイトルの聖母伝説をはじめ、ヤキ族の暮しぶりや死者の日の祭りなど、視点はあくまでローカル。いとこである佐野碩のことも詳しく出てくる。 

 

スタインベック短編集/ジョン・スタインベック(1954, 新潮文庫

スタインベック短編集 (新潮文庫)

スタインベック短編集 (新潮文庫)

 

  何度読んでもぐっとくる「朝めし」収録。それ以外は初めて読んだのだけれど、自然に対する畏敬の念を強く感じさせつつ、それでも押しつけがましくならないところにとても好感が持てた。「朝めし」は本書の中でも特に短い話なので、未読の方はぜひ珈琲一杯飲みながらどうぞ。

 

  日本の食生活全集⑮ 聞き書 新潟の食事(1985, 農山漁村文化協会

日本の食生活全集 (15)

日本の食生活全集 (15)

  • 発売日: 1985/08/01
  • メディア: 単行本
 

 昔、全巻(47都道府県+アイヌ、別冊的な2冊で50巻)を格安で購入し、北の方から地道に消化していった時期があった。その後、長く中断したままだったが先日久々に再開。1冊だけ欠けがあるので(たしか徳島)、補充しつつ読み進めていきたい。

 本全集(各県版+索引巻、全50巻)は、全国300地点、5000人の話者から「聞き書き」してできあがった世界最大の食文化データベースです(収録料理数5万2000点)。
雪納豆 (岩手)
 話者は、昭和初期(1930年頃)、川も海も空気もきれいだった時代に、農村や都会で台所をあずかり、一家のいのちをはぐくんでいた女性たち。
 その土地の自然とともに生きる技、すなわち人々はなにを食べ、どう保存・加工・調理し、子どもを育て、暮らしを作り上げてきたかの全体像を表現したものです。これは、今残しておかなければ永久に失われてしまう貴重な記録です。

全国のふるさとのおばあちゃんの食と暮らしを伝えるシリーズ:日本の食生活全集 全50巻

 

  どんな本かは上記ご参照。とにかく大変な労作であり、その甲斐をじゅうぶんに感じさせる面白さです。

 

 

47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶

47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶

  • 作者:山之内 遼
  • 発売日: 2020/06/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  2013年刊の名著が全頁カラー写真で再刊。110件の掲載店のうち、店主訪問済は10件くらい。ちなみに著者は本書刊行時点で4000件超の喫茶店を訪れていたという。呼吸をするように喫茶するひとだったのだろう。