先月、カサドシュによるラヴェルとドビュッシーのソロピアノ集を手に入れた。いつもいつも中身を知っている作品ばかり買うのは面白くなかろう、と予備知識のないまま購入に踏み切ったところ、今現在の自分の嗜好とは違っていてやや残念な結果に。とはいえ1枚のレコードを取っ掛かりに、演奏者や作曲者について知識が広がるのはけっこう楽しい*1。本盤についてもそのうち印象が変わるかもしれず、時々は流すことにしようかなと。あと、基本的にピアノ独奏はジャンルを問わず好みの演奏形態なので、これに懲りずまた開拓したい。クラシックで差し当たり気になっているのは、ホロヴィッツのモスクワリサイタル(1986)とか。
印象が変わるといえば、初めて聴いたときにはあまりしっくりこなかった、バド・パウエルの「Bouncing with Bud」。昨日、久々にかけてみたらけっこうよかった。最近ではアンリ・ルノーの「The Birdlanders Vol.2」(特にB面)なんかもそう。要するに、そのときの気分みたいなものも多分にあるのだろう。結局、好きに聴かせてッということ?
と考えたときに、いま聴きたいのは鈴木茂の「バンドワゴン」だったりする。安田謙一さんの「なんとかとなんとかがいたなんとかズ」*2を読んでいて鈴木茂のインタビュー記事が滅法おもしろかったもので。
話は戻り、“中身を知っている作品”として手に入れたのはレスター・ヤングのキーノート盤。レコードだからかテナーサックスの音が良く響き、CDとは全然違って聴こえる。この「ずっとCDで親しんできた音源をレコードで聴き返してハッとする」という体験にはなかなか抗えない魅力がある。