珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

レコードの話

 先月、カサドシュによるラヴェルドビュッシーのソロピアノ集を手に入れた。いつもいつも中身を知っている作品ばかり買うのは面白くなかろう、と予備知識のないまま購入に踏み切ったところ、今現在の自分の嗜好とは違っていてやや残念な結果に。とはいえ1枚のレコードを取っ掛かりに、演奏者や作曲者について知識が広がるのはけっこう楽しい*1。本盤についてもそのうち印象が変わるかもしれず、時々は流すことにしようかなと。あと、基本的にピアノ独奏はジャンルを問わず好みの演奏形態なので、これに懲りずまた開拓したい。クラシックで差し当たり気になっているのは、ホロヴィッツのモスクワリサイタル(1986)とか。

 印象が変わるといえば、初めて聴いたときにはあまりしっくりこなかった、バド・パウエルの「Bouncing with Bud」。昨日、久々にかけてみたらけっこうよかった。最近ではアンリ・ルノーの「The Birdlanders Vol.2」(特にB面)なんかもそう。要するに、そのときの気分みたいなものも多分にあるのだろう。結局、好きに聴かせてッということ?
 と考えたときに、いま聴きたいのは鈴木茂の「バンドワゴン」だったりする。安田謙一さんの「なんとかとなんとかがいたなんとかズ」*2を読んでいて鈴木茂のインタビュー記事が滅法おもしろかったもので。

 話は戻り、“中身を知っている作品”として手に入れたのはレスター・ヤングのキーノート盤。レコードだからかテナーサックスの音が良く響き、CDとは全然違って聴こえる。この「ずっとCDで親しんできた音源をレコードで聴き返してハッとする」という体験にはなかなか抗えない魅力がある。

ラヴェル:ピアノ曲全集

ラヴェル:ピアノ曲全集

 
バウンシング・ウィズ・バド

バウンシング・ウィズ・バド

 
Vol. 2-Birdlanders

Vol. 2-Birdlanders

  • アーティスト:Birdlanders
  • 発売日: 2012/08/29
  • メディア: CD
 
なんとかと なんとかがいた なんとかズ

なんとかと なんとかがいた なんとかズ

  • 作者:安田 謙一
  • 発売日: 2012/12/12
  • メディア: 単行本
 

 

 

*1:特にクラシックなんて、もともとの知識量が中学・高校の教科書レベルも怪しいくらいなだけに、何を見聞きしても新鮮なのです

*2:やはり五七調で読むのが正統なのだろうか。併記された英語が「Question Mark and The Misterians」なのも含め、なんと秀逸なタイトルであることよ