マラマッド短編集/バーナード・マラマッド 鹿島祥造訳(1971. 新潮文庫)
中身は著者最初の短編集『The Magic Barrel(魔法の樽)』を一冊丸ごと。自分としては『レンブラントの帽子』以来のマラマッドである。お、マラマッド!と思って買ったはよいものの、途中に30頁ほどの落丁があり、訳者あとがきで名作に挙げられていた「最後のモヒカン族」が殆ど抜け落ちている。こんな大規模な落丁は初めてだったものだから一瞬気づかず、ショートショートかと思ってしまった。それはさておき、表題作はじめどれもさすがに面白い。
故人所縁の各氏による対談・評論・追悼文に交じって、和田さんご自身の文章*1も。そのひとつ「映画とジャズ」が簡潔で要を得たさすがの出来。と思ったらその初出は1960年=24歳当時の仕事であった。まったくどこまでいっても驚かされるお方・・・!
ジャズといえば、「和田誠とジャズ」をテーマにした村井康司氏の論考もよかった。先日当ブログで取り上げたスタンダード解説本「いつか聴いた歌」の収録曲について、Spotifyの自作プレイリストを公開されている。プレイリストにはQRコードからアクセスできるようになっているのだけど、スマートフォンを持っていないこともあって未だにQRコード読み取りをやったことがないわたくし。でもこのプレイリストはとても気になる。あと、和田氏が手がけた『映画とジャズ』という長いエッセイが載った雑誌があることを知り、こちらも探してみようと思う。
当店は小さなお子様連れのお客様にもしばしばご利用いただいており、絵本もちょっとずつ増えました。こちらはよく行く出町の古本屋にて。あそこは絵本たくさんありますね。
*1:『FUN AND FUNCY FREE』からの再録。まだ詳細調べてないですが何かの会報誌らしいです