珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

もっとソバ屋で憩う ~Add some books to my shelf <21>~

もっとソバ屋で憩う/杉浦日向子ソ連・編著(新潮文庫, 2002)

もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店 (新潮文庫)

 身近なオアシス「ソバ屋」に安らぎを見出す“ソ連ソバ好き連”の面々が、お薦めの蕎麦屋を紹介するという一冊。ただし、ソ連代表の杉浦日向子女史に言わせれば、主眼はあくまで”大人の憩い”の提案にあり、いわゆるグルメ本でもソバを批評する本でもない。実際、どのお店についても「憩い目線」とでもいうべき独特の物差しでその良さが語られている。

 いきなり飛躍する気がしないでもないけれど、書き手であるところのソ連各位が提唱するソバ屋の楽しみ方は、そのままコーヒー屋の楽しみ方に置き換えたとしても特に違和感を覚えない。そもそも「憩い」を着眼点にしていることからして、両者の共通点が窺がえようというもの*1。そういう頭で読み進めていくと、コーヒー屋としても本書は金言箴言の宝庫に思える。

 しかし「ソバ屋で憩う」、なんと甘美な響きだろうか・・・。この先しばらくは毎日ザル日和なわけで、頼まれなくとも休みの度にソバを楽しむ気は満々なのだけれど、本書を読んだからには更に貪欲に、ソバ屋で憩いたい所存である。

 あ、麺つながりで思い出しましたけれども、「京都街中華倶楽部」の2号(ちゃんぽん特集、非常に読み応えありました*2)なども棚に追加しております。猛暑の折、どなたさまも充実した麺ライフをお楽しみください。

*1:そういえば「憩」って名前の喫茶店、時々みかけませんか?

*2:特製の市内ちゃんぽん地図には、わたくしが昔よく行った北大路新町の相生もしっかり載っていました。あそこはアジフライ定食もたいへん美味しいのです