珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

最近読んだ本

 

  旅の断片/若菜晃子(2019 アノニマスタジオ)

旅の断片

旅の断片

  • 作者:若菜晃子
  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: 単行本
 

  2冊目のエッセイ集。店主は昔から著者のファンであり、本棚には若菜コーナーができあがっている*1。誠光社のイベント*2までにはと思いながら例によって積ん読状態だったものの、結局イベント前日の晩に一気読み。当のイベントは若菜さんによる朗読がメインだったので、駆け足とはいえ事前に読んでおいてよかった。

 イベント終了後、前著「街と山のあいだ」と一緒に若菜さんからサインをいただくことができた。後日、その際近くにおられた参加者のお一方がわざわざ当店にお越しくださったこともあわせて、本書にまつわるうれしい出来事である。

 

 

チープ・シック/カテリーヌ・ミリネア、キャロル・トロイ著 片岡義男訳(1977 草思社

 製菓担当、10代の頃からのバイブル的一冊。我が家の本棚には昔から鎮座していたものの、いつでも読める気安さか、店主自身は今まで手に取ることがなかった。昨年、店に置く段になって片岡義男が訳していたことを知り、ようやく読み終えた。ダイアナ・ヴリーランドだとか、イヴ・サンローランだとか、ひたすらにお洒落な著名人と同列に、現在ではさほど知られていないであろうカッコいい方々もたくさん載っている。あとは写真。洗練とユーモアとわずかばかりの悪趣味が絶妙なバランスを保っていて最後まで見飽きない。長いこと版を重ねるだけあるなあと思った。

 読後、製菓担当とこの本についていろいろ話をしていたら、彼女は写真のキャプションまで覚えていた*3。若い時分における打ち込みの強さはすごいですね。

 

 

ミツバチと人間/渡辺孝(1980 日本養蜂振興会)

ミツバチと人間

ミツバチと人間

 

 本書も製菓担当の昔からの蔵書*4。ミツバチの知られざる生態に迫る、といったノリの前半、古今東西の歴史や文化を素材にミツバチを論じる後半、どちらも読みごたえあり。著者の父君である渡辺寛は、日本の近代養蜂の始祖ともいえるような存在であったらしい。

 

*1:雑誌wandel、リトルプレスmurren、どちらも全巻揃ってます

*2:https://www.seikosha-books.com/event/5257

*3:例:P70、ニューヨークの最高の古着店のひとつという、ジェゼベルの写真につけられていた一言→「ぞろっとしたドレス」

*4:高円寺の吉野純粋蜂蜜店というお店で買ったらしい。調べてみたらいまだ健在であった 

https://yoshino83.jimdofree.com/