もしも、東京(小学館, 2021)
20名の著名漫画家による、「東京」をテーマにした作品集。担当編集Oさん*1からご恵贈いただく。緻密で重厚な一枚ものから読み切り風のストーリー漫画まで、描き下ろし358頁という分量に圧倒されつつ、休日に届いたのをいいことに一気読み。合間に挟まれる寄稿や写真も含めて、ものすごく中身の濃い一冊だった。古い世代のマンガ読みとしては、祝祭感あふれる萩尾望都作品や、青春ど真ん中な感じの太田垣康男作品にグッときましたね。太田垣先生が尾瀬あきら先生*2のアシスタント出身とは知らなかった。
とにかく気合の入った本だというのに、わたくし前知識が全然なくてですね。読後に軽く調べたところ、一昨日から東京都現代美術館で同テーマの企画展が始まっていたのでありました。すごいなー。
ISSUE 和田誠のたね(スイッチ・パブリッシング, 2021)
美術館の展示といえば、秋にオペラシティアートギャラリーで和田誠展をやるそう。東京を皮切りに巡回予定があるとも聞いたけれど、関西圏での展示は生まれ故郷でもある大阪なのかしら。
閑話休題。本書はナナロク社の川口恵子さんが、和田さんの発案で行ったというインタビューの一部をまとめたもの。少年時代の足跡をたどることに主眼が置かれていて、戦時中のエピソードのほか、小学生当時の商業誌デビュー作品なども掲載されている。5万字超というインタビューの量は、ファンにすれば読みどころが多くて全く気にならない。
ちなみにISSUEはスイッチパブリッシングの新しい雑誌。カバーがついていたから書籍と勘違いしていた。