SMALL TOWN TALK~ヒューマン・ソングをたどって .../松平維秋(VIVID BOOKS, 2000)
著者は渋谷百軒店にあったロック喫茶「ブラックホーク」のレコード担当を務めた方。同店で頒布されていたというミニコミ「Small Town Talk」とともに、店名だけはだいぶ前から馴染みがあった。が、20年も前に書籍化されていたとは全然知らず、先日ようやく見つけた次第。本の内容はディスクレビューや「Small Town Talk」の再録、関係者の回想談など。
掲載されている音源の中には、自分が殆ど通ってこなかったジャンルも含まれていて(例:1960~70年代の英国トラッドなど)、聞いたことのないアルバム、聞き覚えのないミュージシャンもたくさん出てくる。この手の本は辛抱強く手元に置いておくと後から色々繋がったりしてまた面白いので、積極的に本棚の肥やしにしておこうと思った。
参考:書誌情報を確認しようと検索していて見つけた。
うたのしくみ 増補完全版/細馬宏通(ぴあ, 2021)
細馬先生が古今東西の「うた」を掘り下げていくという体の一冊。同名の前著(2014年刊)が出たときから気になっていたものの、完全に読むタイミングを逸してしまっていた。このたび増補完全版として、倍くらいの厚さで再登場。ずっと読みたかった、キリンジ「悪玉」の回も収録されている。が、そこはやはり細馬先生であり、ただの楽曲分析にとどまらず、ポピュラー音楽を糸口にした総合文化論的な趣が濃い。待っててよかった。
ポップな装丁とは裏腹に内容はなかなかにヘヴィーである。帯のコメントをジェーン・スーさんが書いていたのが目に止まって読んでみた。
2007年刊のちくま新書「笑ってお料理」の改訂版。巻末に対談(和田誠と平野レミ)と鼎談(阿川佐和子、清水ミチコ、平野レミ)が追加されていてそれがだいぶ面白い。和田誠による二色カラーの挿絵も素敵。