珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

『dee's magazine』vol.06 が届きました

 みなさま『dee's magazine』をご存じでしょうか。グラフィックデザイナーの千葉美穂さんが編集・発行人を務めるフリーマガジン*1なのですが、最近縁あってバックナンバーを読む機会を得、到底フリーとは思えぬ充実した内容と溢れ出る熱量にすっかりハマってしまったのでした。で、そのとき制作中だった第6号の広告枠にまだ空きがあると知り、読後の興奮冷めやらぬまま直ちに名乗りを上げたわけであります*2。 

ディーズマガジン (@deesmagazine) • Instagram photos and videos

 前置きが長くなりました。本誌の広告掲載店は設置店舗にもなれるという特典付きでして、先ほど出来立ての第6号が届いたところです。特集は「大人の社会科見学」。といっても連載記事も特集記事も渾然一体な誌面構成*3ゆえ、どこから手を付けたものか迷ってしまうのですが。それはともかく、自分が読み終わるまで保留するのも勿体ないですし早々に配布を開始します。4号、5号のバックナンバーも1部ずつ手元にはありますので、閲覧ご希望の方はお気軽にお声がけください。

 ちなみに広告はこんな感じになりました↓。黒い筋が見えるのは折り目にかかっているから。

 しかし、この画像に写った部分だけでも、段ごとに文字列の向きがバラバラなのが見て取れるかと思います。ほんとに凄い作りの冊子です。

*1:わたくしは横浜・妙蓮寺の書店「生活綴方」の本こたラジオ、千葉さんゲストの第20回で知りました。このdee's magazineに限らず、本こたラジオにはお世話になりっぱなしで、いま一番訪れたい書店は断トツで生活綴方です。

*2:3年目にして初めての広告出稿!

*3:かつ折り方も非常に特殊で縦横無尽な割り付けがなされている上、別冊まで綴じこまれています。バックナンバーも大体そんな感じの特殊な作りです

お知らせ色々(当店以外の)

 8月も残り一週間となりました。小中学生の夏休みも終わり、朝晩ちょっとずつ涼しくもなり、そろそろ新米の出来が気になり始めたこの頃です。

 さて、今日8/25は出町柳のha ra2周年。新しいメニューも続々お目見えしているようですが最近はなかなかゆっくりお茶する時間が取れず、お届けのついで*1に時々買わせてもらう焼菓子を楽しみにしております。現在お店では、2周年にちなんだ「2」クッキーを提供中。いやいや改めておめでとうございます。

 25日といえば串揚げ万年青のオモテ市でもあり。きょうは18時頃から夕涼み企画も予定され、串揚げとビールその他いろいろ控えているそう。よいですなあ。

 さらに、夕涼みといえば今週末8/28(日)、万年青から南下すること数分のイタリアンレストランoasiにて、「スティールパンとBBQの夕べ」が開催されます。リトルテンポの土生剛さんがoasiに!吉田シェフのBBQを楽しみながらスティールパンの音色にうっとり!という趣向。遡ること20年前、リトルテンポの2ndアルバム『KEDACO SOUNDS』を繰り返し繰り返し聴いていた身としてはたいへんに羨ましく心震える企画です。定員は予約優先の30人限定。こちらもお見逃しなきよう。

 以上、自店の告知が特にないので、ご近所のお楽しみ情報をお届けしました。それでは各自、終わりゆく夏を惜しみつつ今週もゆるりとお過ごしくださいませ。


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*1:当店の珈琲豆を使っていただいています。いつもありがとうございます

お知らせ(コスタリカ新豆入荷/「ほり場スコーン」今週末お休み)

 今日は早朝ずいぶんと涼しく、この長い夏が折り返しつつあることを初めて体感。気温・室温で比べれば少しの差なのでしょうが、心なしか焙煎も楽でした。

 さて2点ほどお知らせです。

 ①エチオピアに続いてコスタリカの新豆が先ほど届きました。来週後半には豆の販売を再開する予定です。

 ②今週末は「ほり場の蕎麦スコーン」お休みです。代わりに別のお菓子をご用意します。 

 現在午後2時すぎ。なぜか祝日のような賑わいだった昨日とはうってかわって、静かな時間が流れております。土日に向けての準備が捗る一日になるのでしょうか。 

 開店後、ハンドピックのお供にYo La TengoのFakebook(1990)を流してみたらちょっと夏の終わりっぽくてよかったです。今はまただいぶ暑いですけれど・・・。

八上書林popup event「本とその周辺」@ものや

 雨予報だったわりに、大崩れはしないまま終わった土曜日。下鴨では恒例の古本まつりが開催中であるところ、こちらはグッとこらえて紫野に踏みとどまることができました。古本まつりは明日が最終日ですね。収穫を抱えて帰りに是非、とお勧めしようにも下鴨からはちょっと遠い当店ですが、明日も12時開店でお待ちしております。

 さて、古本といえば今日、お客様から別のイベントを教えてもらいました。紫竹の古道具店ものやにて明日まで開催中の「本とその周辺」。同店が選んだ本にまつわるアイテムと、八上書林の古書が展示販売されているそう。先週からやっていたというのに全然知らず、またまた最終日直前の勝手なご案内です・・・。ともあれ件のお客様は良い本ゲットしておられました。もし下鴨とハシゴする方がいらっしゃいましたら、中継地点の一服に当店ご利用くださいまし。

 
 
 
 
 
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BOOKS ARE MAGIC

先日はコーヒー豆の入れ替えについて書きました(コスタリカがいよいよ無くなるので近く手配します)。一方、店内本棚の書籍も、気づかれないくらいの頻度と冊数で引き続き入れ替えしています。最近追加したのはこのあたり↓。しかし、面白そうなポッドキャストやWEB媒体の連載記事などが目に入るとつい聴取濫読してしまい*1、ただでさえ確保しにくい紙の本を読む時間がさらに減っているこの頃です。

社会と自分のあいだの難関/那須耕介(編集グループSURE, 2021)

表現の自由、移行期正義、遵法責務の3主題をめぐる、セミナー形式の論考。とっつきやすいが、かみ砕いて呑み込むにはすごく時間がかかる(しかも何度も反芻しないと消化できない)という、ある意味で読書の醍醐味に満ちた一冊。著者は昨年急逝し、もうすぐ一周忌を迎える。


ジャズ・カントリー/ナット・ヘントフ(晶文社, 1979)
アメリカ、自由の名のもとに/ナット・ヘントフ(岩波書店, 2003)
那須先生の本にも出てきたナット・ヘントフ。2冊ともに偶々、同じ古書市で見つけた。ジャズ・カントリーは同人誌SUMUSの丸ごと晶文社特集で何人かが取り上げていたこともあって気になっていた小説。青春小説という紹介を目にした記憶があったけれど、少し苦味もきいていて40歳の自分にもしっかり響く。
岩波の方は2段組で350頁超とかなりのボリューム。ジャズについてのコラムもあるにはあるが、タイトルのとおり米国における「自由」を様々な角度から論じた文章が大半を占めていて、修正第1条をはじめとした米国の憲法憲法史をきちんと勉強したくなる。


ジャズ・スタンダード100 名曲で読むアメリカ/青木啓・海野弘(新潮文庫, 1988)
ティンパンアレーの時代(1900~1910)から10年ごとに章立てされ、紹介される曲には発表年が付されているので、古いと思っていた曲がそうでもなかったり、モダンなメロディなのにかなり古いことがわかったりするのがけっこう面白い。

 

ここはおひるねできるほし/服部福太郎(エフエフ・ブックス, 2022)
めからあふれるもの これなんだっけ/服部福太郎(エフエフ・ブックス, 2022)
水彩の淡い色づかいと、夢現をたゆたうような文章がしっくり馴染んでいる。版元のエフエフ・ブックスはエムエム・ブックス内の自主レーベル。『ここは・・・』の初版はすでに品切しており、いま書店で見かけることはなかなか少なそう。どうも京都には取扱店が無かったようで、せっかくなら名乗りをあげればよかった。

 

ぼくにはこれしかなかった/早坂大輔(木楽舎, 2021)

盛岡のBOOKNERD店主が綴る自伝的エッセイ。こちらのお店は自分が盛岡を訪れた頃にはまだ影も形も無く、くどうれいんの「わたしを空腹にしないほうがいい」(改訂版)の版元であることも含めて、割と最近まで知らずにいた。冒頭何枚かのカラー写真頁に盛岡市内の中心部を流れる中津川も出てきて、盛岡ファンとしてはそこにもグッとくる。どのあたりにあるのだろうと思って地図を確認したら、黄精飴の長沢屋や盛岡駄菓子の関口屋のすぐ近くだった。いい場所じゃないですか。

今日のタイトル「BOOKS ARE MAGIC」は、そのBOOKNERDのオリジナルポスターに使配された一言。ニューヨークに同名の書店があるらしく、そこからとったのかもしれないけれど詳細は不明。

*1:特に面白かった例:生活綴方(横浜・妙蓮寺の書店)のポッドキャスト本こたラジオ」、珈琲屋うず(下北沢の自家焙煎店)の珈琲店取材企画、室谷明津子さんの「兼業生活」、岸政彦先生の「調査する人生」 あ、結局は本か珈琲・・・

冷やし中華

・今日は8月8日。世間的にはそろそろお盆休み、という方も多いのでしょうか。当店は今週と来週、どちらも火・水定休で通常営業の予定です。

・昨日、8月7日はカエターノ・ヴェローゾ80歳の誕生日だったそう*1。最初の『Domingo』が1967年だから55年現役ってことですか・・・。近年の矍鑠としたお姿を見るにつけ、あと10年くらいは余裕でいけそう。あとこの方、年をとるにつれてどんどん学者みたいな雰囲気が濃くなっていくと思いませんか。

・同じ「八月の息子」でもこれから誕生日の曽我部恵一*2は、先月サニーデイサービス名義で4曲入りCD『冷やし中華EP』をリリースしていました*3。タイトル曲は割に爽やかで蒸し暑さ控えめ、3曲目が中川イサトのカバーなのはやはり追悼なのでしょうか。

・そういえば今年はまだ、ちぢれた麺に錦糸卵・胡瓜・トマト・蒸し鶏またはハム、みたいな組合せの王道冷やし中華を食べていません。少し前に作った冷やし中華のタレっぽいドレッシング*4は野菜にかけただけ。基本、料理に砂糖は使わないのですけれど、こういう胡麻だれについてはちょっとだけ甘くしてもおいしい気がします。酢の物もそうかも。火を通さない料理なら甘味付けにハチミツを使うのもありですね。

・とまあ、あまりの暑さに思考も緩慢、とりとめのない連想に拍車がかかって止まりません。一応、今日もこのあと18時まで営業しております。よかったら涼みにいらしてくださいまし。


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 「その気になれば」は『お茶の時間』のピアノバージョンより、こちらの方が好みです。

*1:関係ありませんが野比のび太も8月7日生まれというのを何かで目にしました

*2:「八月の息子」という曲が好きで昔いろいろ調べていたら、あの曲は8月26日生まれの曽我部氏自身をうたっているという記述に行き当たり、ついでのように誕生日まで覚えたのでした

*3:サニーデイ・サービス - 冷し中華 EP (Audio) - YouTube

*4:白練りごまと自家製のかえし(醤油・酒・かつおぶし)に米酢を合わせたもの

最近の珈琲豆のご案内など

 ちょっと不安定なお天気のまま、本日もスタートしております。週末のお楽しみ、ほり場スコーンもございますヨ。

 さて最近の珈琲豆について。ラインナップは従来と変わらずながら、新豆との入れ替えが始まりました。まずは夏休み中に仕入れたエチオピアを一昨日から出しています。産地(生産者)は昨年と同じものですが、特徴であるフルーティな風味は濃厚な感じからさっぱりした柑橘寄りになったような印象。そんなこともあって、ひとまず昨年産よりも焙煎度合いを少しだけ深めにしています。その他、もうすぐコスタリカが入れ替え予定、あとはブレンドに使っているコロンビアも品切れが近づいているものの、こちらは目ぼしい豆が見つからず、別の原産国に変更する可能性あり。グァテマラかペルーか、それとも今まで使ったことのない国か、鋭意検討中です。また、今回の入れ替えのタイミングにて、一部商品の価格を順次改定してまいります*1。何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。

*1:すでに改定済の商品あり。コーヒー生豆につきましても、御多分に漏れず今年の仕入価格はなかなかに上昇しております・・・。ただし南インド東ティモールは当面価格据え置きでご提供します