珈琲山居のブログ

京都市の珈琲店、珈琲山居(こーひー・さんきょ)です。こちらのブログから、お店に関するお知らせや日々のあれこれをお届けします。

珈琲時報(19)高木剛 陶展

・高木剛さんの個展が下鴨の川口美術にて開催中です。時節下、事前予約方式を採用されていますが当日連絡もOKとのこと。各日12:30~17:30、会期は6/27(日)まで。ちなみに初日の昨日と二日目の今日はご本人在廊。

・高木さんは昨年、九州・うきはに移住され、今回の個展には同地の新しい窯で焼成した作品を並べておられます。当店ではカフェオレ用のうつわでお馴染み*1。ということでコーヒーネタとしての投稿でした。

 
 
 
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「うた」で2冊 ~Add some books to my shelf <20>~

日本語の新しい方向へ/鶴見俊輔大岡信谷川俊太郎谷川賢作、覚和歌子、さがゆき(熊本子どもの本の研究会, 2003) 

日本語の新しい方向へ

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 NPO法人「熊本子どもの本の研究会」*1が、2003年に開催した設立20周年記念イベントを書き起こした一冊。講演(鶴見)、詩の朗読(谷川俊、覚)、演奏(谷川賢、さが)、対談(谷川×大岡)、登壇者を並べてもわかるとおり、日本語といいつつ主には「詩・歌=うた」に焦点があてられている。とにかく本として読み応え十分の内容であるけれども、これを熊本で、一日かけてやりきってしまう主催者の心意気にはシャッポを脱ぐしかない。自分がもし観に行っていたとしたとして、きちんと消化できたかどうか甚だ怪しく、そういう意味でもありがたい書籍化である。ちなみに装丁は北沢街子さん。なのでぱっと見たときはSUREの本かと思った(著者名もどことなくSUREっぽいし)。 

アメリカは歌う。/東理夫(作品社, 2010) 

「うた」つながりでもう一冊。こちらは音楽を通して、アメリカの文化と社会をぐいぐい掘り下げている。主題は鉄道工事に関する労働歌、アパラチアのマーダー・バラッド、アフリカ系アメリカ民謡、C&W。ジャンルがバラバラなこと自体、アメリカという国の成り立ちと複雑さをよく物語っている。以前、たいへんおもしろく読んだ「アメリカは食べる。」*2と同様、これも読書の醍醐味に浸れる一冊。さっき上に貼るリンクを探していたら、2019年にコンプリート版が出ていることが判明・・・。コンプリート版への追記内容は未確認なれど、こちらの初版でもじゅうぶんに満足できます。

珈琲時報(18)林哲夫作品展「父の道具」@古書へリング ←明日まで!

・岡崎のBooks Herringにて、林哲夫さんの個展「父の道具展」が開催中。わたくし水曜日に行ってまいりました。使い込まれた道具類は販売もしており、すでに買い手がついているものも色々。写真作品も含めて小さいながら見応えある展示でした。時間は11:00~19:00、 明日13日が最終日です。

 ところで林さんといえば、こちらで何度か言及している喫茶本「喫茶店の時代」の著者でもあります(珈琲屋的にはここからが本題)。

 当日は在廊されていたご本人と少しお話できた上、昨秋の企画展*1で販売されていた小冊子『「喫茶店の時代」タイムライン』も手に入れることができました。この冊子は「喫茶店の時代」の付録的位置づけ、喫茶にまつわる古今東西のトピックが年表形式でまとめられています。表紙は寺町二条の「鎰屋」店内。ときどき書籍中に小さく引用されるカットですが、大写しで眺めるとまた印象が違うものです。食器からクロスからお菓子から、さぞ高級なお店だったのだろうなと思わされます。最終の見開き2頁に展開されるマッチ箱コレクション(知っている店が殆どない!)も壮観。「喫茶店の時代」とあわせてご覧くださいませ。

*1:わたくし行けずじまいでしたが、大阪のギャラリーきとうにて。喫茶店の時代展開催中! : daily-sumus2 

珈琲時報(17)エチオピア再開

・たまにはタイムリーな更新を。本日からエチオピア中煎りのご提供を再開します。産地は従前と同じ、精製も同じく乾式(ナチュラル)です。生豆の状態で濃厚に立ちのぼるトロピカルな香りも健在でした。ただ前年度産と比べると、苺などのベリー寄りといいますか、少し甘酸っぱい感じの風味が増しているようにも。先週初めて飲んだアナエロビック精製のブラジル*1と似ているような気がするのは、まだ記憶が新鮮だからかもしれません。

・それにしてもあのブラジル、美味しかったなあ。アナエロビックに抱いていた勝手な先入観*2をあっさり覆されました。百聞は一杯に如かず。ブラジルの豆は今まで色々な産地のを試してもなぜかしっくりこず、自店で使うには至っていません。が、あれはちょっと焼いてみたいなと思いました。

・しかしアナエロビックの個性的な香り*3は生豆の段階でしっかり付いているものなのでしょうか。この精製の機序は殆どわかっていないのですが、これまでの経験上、生豆の段階で焼き上がりと同じような香りがしたのはエチオピアの乾式精製(の一部)だけだったもので、そういう意味でも興味が尽きないところではあります。あとは深煎りにしたらどうなるかですね。もったいないような気もしつつ機会があれば試してみたい。

・ということで長い独り言でした。今日もこの後10時開店です。

*1:自家製焼菓子も絶品「火曜日の珈琲ぽたぽた」@uzuビバレッヂ

https://www.instagram.com/p/CPfqhsGMKF_/

*2:もっとわざとらしいくらいのフルーツっぽさで、浅煎りならではの酸味を楽しむ、みたいな

*3:上述ブラジルのパッケージには確かミルクチョコやストロベリーが挙げてありましたが、わたくしはすぐさまアポロチョコを連想しましたね

雑誌雑感(6)本の雑誌と書店

 本の雑誌 2021年5月号(特集 本屋がどんどん増えている!)

  よく見たら最新号ではなかったのだけど、特集に惹かれて久々に買ってみた。久々ではあっても中身はさほど変わらない印象*1。しかしこの雑誌を読み終える度、本って毎月たくさん刊行されるんだなーと、しょうもない感慨に浸ってしまう。同時に、これだけ本を取り上げながら連載のテーマはけっこう幅広いことにも感心する。

 自分がいつも最初にチェックする連載は平松洋子さんの「そばですよ」。この号では旅行会社のHISが新規事業として始めた蕎麦店「満天ノ秀そば」が取り上げられていた。書店では隣に6月号も置いてあり、やはり「そばですよ」だけチラ見したところ、なんと中野ブロードウェイのデイリーチコが載っていた。しかも前編・後編の2回掲載。中野ブロードウェイといえば、昔々フジヤエービック*2を頻繁に訪れていた時期があり、その頃のデイリーチコは大きなソフトクリームを売りにしたスナックコーナーか何かだったような・・・。蕎麦も食べられるなどという認識はまったくなく(そもそも蕎麦に入れ込んでもいなかった)、平松さんがどうしてこの店を取材しようと思ったのか非常に気になる。やっぱり買っておけばよかった。で、6月号を読んだらきっと続きが気になって次号も読みたくなるのだろう。いっそのこと定期購読しようか。本の雑誌なのに蕎麦につられてというのもおかしな話ではあるが、面白いのだもの。ちなみに「そばですよ」は単行本が出てから2年半ほど。そろそろ文庫化に期待したい。

 すっかり話が逸れた。特集で掲載されていた個人書店のうち、横浜の生活綴方と幕張のlighthouseは読み終えたばかりの「仕事文脈」18号(タバブックス)にも出てきておっ、と思った。なので2冊ともマガジンラックに立てている。

 あと、個人書店つながりでは最近出たばかりの「IN/SECTS」13号(合同会社インセクツ)の特集も書店だそうで、たぶんこれも店に置く。ということで次の休みにはまた書店に行こう。 

仕事文脈vol.18

仕事文脈vol.18

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*1:と書いてから既視感にとらわれ、3月にレココレを読んだときにも同じことを書いていたのを思い出した

*2:ブロードウェイにテナントとして入っていた中古CD店

珈琲時報(16)最近の豆ラインナップ

・最近の豆ラインナップ。

 ① 先週、今週とブレンド東ティモールを加えています。ブレンド全体としての焙煎度は同じくらい、味にもさほど変化はありません。

 ② 今週はアイスコーヒー、カフェオレなどに深煎りのコロンビアを使っています。昨日は昼間の暑さにつられアイスコーヒーがよく出ましたね。ざる日和*1はアイスコーヒー日和でもあるということでしょう。

・カフェインレス検討の進捗状況。

 ① 数日前、お試し入手したブラジル産をテスト焙煎しました。中煎りと深煎りに焼き分けたのですが、いかんせん少量すぎてメニューに載せていません。喫茶のみならあと一週間くらいはもつかと思いますので、ご興味ある方は遠慮なくお申し付けください。

 ② ちなみにこのブラジルは今回限り(本格的に仕入れてもいいかなと思ったら商社にて品切れ)、次は来月以降にコロンビアかメキシコを試してみるつもりです。というわけで、さまよう日々はもうしばらく続きそうな状況。

*1:冷たいお蕎麦にうってつけのお天気をこう呼んでいます

珈琲時報(15)今日はGreen Future KYOTO

・まずは告知から。当店は直接関係していませんが、今日はご近所の新大宮広場にて、ヴィーガン系のイベント「GreenFutureKYOTO」を開催中です。3月に続いての第二回。今回はお天気持ちこたえそうですが、やはり時節柄、当初予定より規模を縮小されているそう。時間は16時まで。

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・先月に仕込んだコーヒーリキュールが出来上がりました。中煎りのメキシコと中深煎りのボリビア、それぞれ20gをアプルトンのホワイトラム100㏄に漬け込んでおよそひと月。味見してみたらどちらもしっかりコーヒーが香っています。中深の方は液面に豆の油が少し浮き、少しスモーキーな風味も。何なら製菓に使えるか、とごく軽いノリで作ったので、ミルクで割っても美味しそう・・・というくらいしか思いついてません。何か良いレシピをご存じの方教えてください。